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【経験者が語る】海外の日本人学校の教員採用試験の話

【経験者が語る】海外の日本人学校の教員採用試験の話

こんにちは、元日本人学校教師のキドリ(@kidori6803)です。

日本人学校という学校が世界中に69校もある事を知っていますか。日本人学校の先生をやることは、メリットがいっぱい。


どうせ働くなら、良い環境で、良い待遇を得たいものですが、日本人学校ではその両方が手に入る可能性が高いです。

 

日本人学校って一体どんな学校?海外での仕事、大変そうだし、ちゃんと生活しているけるのか不安。

 

などなど、情報が少ないだけに、不安に思う人が多いのですが、心配ご無用。

 

きどり
日本人学校は、学校によっては日本で教員採用試験に通過するよりも合格の可能は高く、採用されれば、日本よりも多くの収入を得る場合があります!

今回は僕が実際に受けて、働いていたこともある「日本人学校の採用試験」の話をします。

日本人学校は日本語学校じゃない

日本人学校は日本語学校じゃない

日本人学校とは

参考

日本人学校は、国内の小学校、中学校又は高等学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする、全日制の教育施設です。

在外教育施設の概要:文部科学省

とあるように、海外に仕事の関係で駐在している日本人家庭のお子さんが、日本と全く同じ環境で学べるようにした施設です。


つまり、世界のどこにあっても、日本人学校の敷地内はTHE・日本。先生も生徒も日本人だし、使っている教科書や教材も日本のものを使っています。


教室の机や椅子も、日本からわざわざ日本から輸入しているほどです。


そして、日本と全く同じカリキュラムに従って日本語で授業を進め、日本と同じように宿題が出て、日本と同じように運動会や学芸会などの行事が行われているのです。


日本語学校と違い、日本人学校は語学を勉強しに行く場所ではないので、生徒は入学や編入の際に、日本語能力テストが課され、一定の条件に達していない場合、入学できないこともあります。


実際には日本語がかなり怪しい生徒もいましたが、授業についていくのも、友達関係を築くのもかなり苦労している様子でした。

採用のされ方は3つ

採用には3つの方法があります。自分の今の立場や状況、希望の働き方によってどの方法で受験するか選択してください。

文部科学省の派遣教員として

日本人学校のおよそ半数は、文部科学省派遣教員、通称「文科派遣」です。


彼らは、日本の公立学校で教諭として3年以上の経験を詰み、研究や指導主事などで実績を残し、数々の関門を乗り越えた少数精鋭の先生方です。(希望者不足でそれも伝説になりつつある・・・)


文科派遣になると、もれなく校務分掌で主任級が回ってくると考えていいでしょう。


応募の要項は年に1度、職員の回覧で他の書類に紛れて回ってくることが多いらしいので、お見逃しなく!

文部科学省:在外教育施設派遣教員について

海外子女教育振興財団として

教員免許があれば誰でも受験できる方法です。新卒採用の人はこれがオススメ。
公立学校で採用されてから3年未満の人や、管理職の出し渋りで文科派遣を受験をさせてもらえない人は、思い切って退職して、この方法で受験するのも一つの手です。


毎年2回募集があり、赴任校の希望を出せる「第1期募集」と、赴任先の希望が出せない「第2期募集」があります。


「第1期募集」は、東南アジアの発展した都市や、欧米の学校の倍率が極端に高く、中国は一様に低倍率のようです。


「第2期募集」は、赴任地こそ選べませんが、一括でたくさんの学校を受験することになるので、可能性はかなり広がるというメリットもあります。

海外子女教育振興財団:教職員等募集情報一覧

現地採用として

私立系列校(早稲田シンガポール、慶応ニューヨーク、帝京ロンドンなど)や、人気の日本人学校は、上記の海外子女教育振興財団に募集をかけていません。


学校のHPで独自に採用情報を出しているので、11月〜12月頃にこまめにHPをチェック!

受験の絶対条件は「日本の教員免許状所持」

日本人学校を受験する先生にとって絶対に必要なもの。それは、日本の教員免許状です。

海外とはいえ、日本の学校となんら変わりはないのですから、これがないと犯罪になってしまいます。
しかし、海外ならではの点で、校種(小中高)や専門教科に縛られない採用が行われている学校が多いです。

例えば、免許は中高の体育しか持っていないけれど、小学校の担任の枠に応募したりもできます。
僕はかつて免許「中国語」で勝負している小学校の担任の先生に会ったことがあります。

ただし、持っていると有利な免許があり、「小学校全科」「理科」「音楽」「美術(図画工作)」は、採用枠が多いです。なぜなら、日本人学校の募集の半分は「小学校担任」であること。また、小学校でも中規模校以上になると「理科専科」や「音楽専科」、「図工専科」が設置されていること。さらには、文部科学省の派遣教師は、芸術系の派遣が極端に少ないので、現地採用に枠が出る可能性が高くなります。

職場内では外国語をほとんど使わないので、語学スキルは基本的には不要です。
実際に、僕は英語力ゼロで合格しましたが、実際に働き始めてみると英語ができる先生がかなり多かったので、受験の際に有利になることは間違い無いでしょう。

受験までに時間がある人は、オンライン英会話などで学習の実績を作り、今後の成長の可能性についてアピールすると良いでしょう。

また、海外旅行の経験などがあると、採用側としては、海外生活に耐性があるか測る材料にできるかもしれません。

 

試験内容と倍率

僕の初めての採用は、海外子女教育振興財団からでした。
仕組みを簡単に説明します。

受験者が応募の書類を揃えて財団に提出すると、その書類が、教員を必要としている世界中の日本人学校にばら撒かれます。そして各学校で書類選考をして、面接してみたい受験者を選出。後日、選ばれた受験者に「面接選考会」のお知らせが届きます


この選考会には、世界中の日本人学校の管理職が一堂に揃い、各部屋に分かれて一人約20分ほどの面接が行われます。
1校のみ受験者もいれば、10校以上面接を受けるツワモノもいるようです。


そして、面接の結果を受けて、あとはプロ野球のドラフトの要領で、先生を取り合う・・・というわけです。
過去の採用実績を見ると、第2期募集の倍率は4〜6倍で推移していますので、日本だと超高倍率になりがちな「社会」や「体育」から比較すると、可能性は大いに広がるはずです。
(ただし、教科にこだわっている人は危険。いきなり小学校担任や、専門外の専科をさせられる可能性もあります)

仕事の実際

日本人学校は、その時の管理職と教師陣(特に文科派遣)によって、学校全体のキャラクターが決まります。
先生自体は3年ほどですっかり入れ替わってしまうので、3年前と今と、まるで違う学校みたい、なんてこともあり得るのです。


基本的に研究熱心でアツい先生が多いので、毎日が研修会さながら、互いに高め合うことができます。
育ちの良い素直な子どもたちが多く、「打てば響く」状態なので、運動会や音楽会などの行事は、派手になりがちです。

総合学習の時間には、現地理解のために、ローカルの市場や歴史博物館を巡ることもあり、その中で現地の人との交流が仕事として入ってくることはあります。

待遇や生活

基本的には、高待遇です。


文科派遣の場合は、2〜4年間の出張扱いですので、日本国内での給与はそのまま支給され続け、かつ現地での家賃や生活費が支給されるので、年収が突然2倍以上になったりします。


海外子女教育振興財団と現地採用は、私立学校に雇われた、と思って良いでしょう。
国にもよりますが、僕が働いていた日本人学校の毎月の手取りは、日本の同年代の公務員の1.5〜2倍でした。(現地通貨で支給のために、その時のレートにより幅がありますし、日本円換算で相当な額の変動すらあり得ます。また国によってはかなり低い給与設定がされていることもあるようです。)
住居は、かなり良いところが用意されている可能性が高いです。

僕の初任の時の家は、大理石の床の家に、広大なプールとテニスコート、ジムやサウナが付いているマンションでした。
ある国の学校は、5つ星ホテルのサービスアパートメントがあてがわれていたそうです。

ちなみに、欧米の学校は希望者も多く、給料は格段に減ります。(場合によっては日本以下)
初めは欧米赴任希望だった同僚も、アジアの生活で大満足していたので「住めば都」は本当です、

場所を選ばなければ相当余裕のある生活が期待できますが、海外にある日本人コミュニティはかなり狭いので、プライベートも気が抜けません。

日本食屋にいけば、生徒や保護者に遭遇する可能性も高いですし、プライバシーをがっちり囲っておきたい人は、日本人学校勤務は苦痛でしょう。

 

小説『サラバ!』で日本人学校を疑似体験

Amazonで『日本人学校』と調べてみると、大学の偉い先生たちが書いたレポート本がたくさん出てきますが、僕のおすすめは、西加奈子さんの書いた直木賞受賞作『サラバ!』です。

イランから大阪、そしてエジプトと、父の赴任に合わせて引っ越しを繰り返す男の子を取り巻く不思議な物語が、文庫本3冊に渡って繰り広げられる超大作なのですが、あまりの面白さに僕は3日で読み終えてしまいました。

話の展開の中で、日本人学校の場面も度々登場し、学校の先生や友達の様子、そして引っ越しを繰り返す子どもたちや家族の心情がこれでもかというほど繊細に描かれています。

文庫本3冊が長いと感じない、感動的で温かな作品です。おすすめ。

日本人学校に通う男の子のお話


 

まとめ

採用、待遇、仕事のやりがい、海外生活体験。どれをとっても日本人学校の経験は◎!
日本の学校にいて、「何か違う」「もう辞めたい」と思っている先生ほど、日本人学校で働いてみてほしいです。

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